能登秘境探検記~File2~奥能登の平家の里【上時国家】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
     

奥能登の平家の里、上時国家へ


始まりはいつもファミリーマートのコーヒーだ。
コーヒーを横に置き、輪島市街を抜け海岸線の珠洲方面に車を走らせる。
世界農業遺産の千枚田を越えて約10分目的地を案内してくれる大きな看板に従い、右折する。
今回の目的地は奥能登の平家の里、上時国家だ。

 

上時国家とは??


奥能登の平家の里の始まり古く平安時代の末期までさかのぼる。
平家が栄華を誇っていたころ、平家の人々は正に有頂天だった。
その中でひときわ天狗の鼻が伸びきっていたのが平清盛の義弟、中納言平時忠だろう、彼の言ったとされる「平家にあらずんば人にあらず」はあまりにも有名な言葉だ。
だが誰もが知るようにその栄華は長くは続かない。
栄華からの没落は儚くも美しい。
花が散るように、満開から一気に平家は散っていった。

 

源平合戦で平家は敗れ、源氏によって一人また一人と粛清されていった。
武士の世界は非常な世界といえど、栄華を誇った平家が没落する姿は平家物語に書かれている通り諸行無常である。
時忠は神器の帰座の功により、特別な計らいで能登に配流となり、その地で没した。
その子孫が江戸時代中期に建てた大屋敷が時国家である。

 

本家の上時国家と、分家の下時国家があるが現在見学可能なのは上時国家の方である。
上時国家は国の重要文化財(建築)に指定されている。
http://tokikunike.jp/(上時国家ホームページ)

駐車場に車を止め、整理された坂道を上がっていくと、少しづつ、上時国家が見えてくる。
見事なかやぶき屋根の立派な建物で、江戸時代の名家の堂々たる住まいを今に伝えてくれている。
屋敷の中も見学可能で、屋敷の中を見れるだけではなく、当時住んでいた人たちの貴重な道具が展示されている。
入館料は500円(大人)。

Le,t探索!!



入館料を払い館内に入るとおもむろに音声ガイダンスが始まった。
普段は音声ガイダンスなどはスルーしてしまうのだが、館内には私一人しかおらず、無視して進むのはなんだか薄情な気がしたので、軽く聞いてみることにした。
聞いてみると意外に面白く、気づけば熱心に聞き入っていた。
いくら重要文化財といえども、江戸時代の建築様式のことなど全く知らない私では、見ても古いなという以上の感想が出てこない。
けれど、音声ガイドを聞いてみると、なぜ部屋がこんなふうに区切られているのかとか、天井のつくりや庭づくりの在り方、ふすまに描かれた平家の家紋のことまで懇切丁寧に解説してくれた。

平家の家紋、揚羽蝶。館内は写撮影OKでした。

中に展示されている昔の道具にも、一つ一つ丁寧に説明書きがされていた。
今までぼやーとしか見ていなかった屋敷が音声ガイドを聞くことで、理解が深まり、より鮮明にその良さが見えてきた。
昔の道具もこういう意味があったのかと知れた。 

それにしても江戸時代の上流階級の人たちの美意識の高さには感嘆してしまう。
おそらく世界が絶賛する日本の伝統美とはこういうことなのだろう。
廊下一つとっても、気品があり、庭との組み合わせがあまりにも素晴らしく、自然と背筋が伸びる。
廊下から見える庭園を見ていると、まるで何百年前にタイムスリップしたかのように錯覚する。
奥深く美しい。


江戸時代の美的文化が今とは違う形で完成されていたことを様々と感じ、心がスーとして、落ち着き、いつもより空気が体の中に入ってくる。

屋敷は長い年月を経ていたけれど、その魅力は衰えるどころか輝きを増していた。
廊下、調理場、広場、勝手口、一つ一つに意味があり、昔生きていた人たちの息遣いを感じさせてくれた。
ここに暮らしていた人たちの生き生きとした姿が目を凝らせば見えてきそうだ。

輪島に住み始め5年奥能登でいろいろな所に行ってみたけれど、上時国家は個人的に三本の指に入るぐらいの名所だと思う。
※一人旅のなかで

それは建物自体の価値もさることながら、音声ガイドや、説明文のおかげで、ただ見るだけでなく、江戸時代の頃を知ることが出来身近に感じられることが大きい。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次は能登秘境探検記File3でお会いしましょう!!

 

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*