flying たい焼き

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昔あるところに、たい焼きがいました。

そのたい焼きには夢がありました。

「僕はいつか空を飛びたい」

そういうと周りの人達は、笑いました。そんなことできるわけがないと、たい焼きが飛べるわけがないと。

笑われ、時にはひどいことも言われました、それでも、「僕はいつか必ず飛ぶんだ」たい焼きは何度も言いました。

たい焼きは空を飛ぶにはどうすればいいのか、一生懸命考えました、本気で考えに考えた末ある方法に気づきました「そうだ、宇宙飛行士になろう」宇宙では飛ぶことができる、宇宙飛行士になれば宇宙に行けると。

それからたい焼きは宇宙飛行士になるために精一杯努力した、朝は体を鍛え、毎日夜遅くまで勉強した。

けれど学んでいくうちに、たい焼きはどうしようもない事実に突き当たってしまった。

宇宙服にはたい焼きが着れるようなものがなかったのだ。

たい焼きは絶望した、自分の夢は絶たれてしまったのだと、まるで底なし沼にはまってしまったように息苦しく体が重かった。

周りの人たちはやっぱり飛べないじゃないかと、笑ったり、哀れんだりした。

たい焼きは悔しい気持ちなど通り越して、自分はみじめだと思った。

けれど、どん底まで追い込まれたたい焼きはそれでもあきらめなかった。

崖から飛んだり、怪しい機械を試したり、超能力を学んでみたり、そんなふうにあきらめず挑み続けるたい焼きをいつしか応援してくれる人たちがいた。

その中に業務用大型扇風機略して扇ちゃんがいた。

扇ちゃんには一生懸命になれることがなかった、けれどたい焼きのことを知って、いつしか応援するようになって、たい焼きの夢が自分の希望になっていた。

だから扇ちゃんはたい焼きに協力したいと申し出た。

本来交わることのない二人が偶然出会い、化学反応が起きた。

扇ちゃんが下から風をフルパワーで吹き、そこにたい焼きは飛び込んだ。

たい焼きの体は地に着くことなく、空にとどまった。

そうたい焼きは飛んでいた。

世間は笑ったたい焼きが空を飛べるはずがないと。

それでもあきらめないたい焼きがいた、その気持ちが、本来不可能なことを可能にした。

たい焼きの目から涙がこぼれた。

「ありがとう」それが飛び終えたたい焼きの言葉だった。

誰より夢を恋焦がれていたのは、たい焼きだった、でも一人ではきっと、飛べなかった、手を貸してくれる扇ちゃんがいたから飛ぶことができたのだ。

 

夢はあきらめない限りかなう可能性がある。

 

 

 

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