第67回日本伝統工芸展、私の心をとらえた作品紹介

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金沢で11月3日まで開催されていた第67回日本伝統工芸展を先日見てきました。

日本で長きにわたり受け継がれてきた技術を使った作品はどれも本当に素晴らしいものでした。

その中で私の心をとらえた作品を紹介します。

 

日本が誇る工芸を是非多くの人に見てもらいたいと思います。

第67回伝統工芸展の今後の開催予定は以下の通りです。

岡山 11月13日~11月29日

松江 12月2日~12月25日

高松 1月2日~1月17日

仙台 1月21日~1月26日

福岡 2月3日~2月8日

広島 2月17日~3月7日

詳しくは↓

https://www.nihonkogeikai.or.jp/exhibition/honten/67/?tab=infod(日本工芸会ホームページ)

 

作品紹介


Title 「乾漆滝の箱」 作者 奥井美奈

(スケッチ汚くてすいません)

 

楕円形の筒状の器物で広い面の中心が少しくぼんでいる。

そのくぼみの中に線が4本レリーフ上に浮かび上がっている。

色は漆特有の深みのある朱色だ。

乾漆技法で作られており優しさや温かさを感じる形だ。

乾漆とは石膏などで形のもとを作り、そこに下地漆や和紙、布などを張り重ね素地を作る技法で、ほかの素地と比べ作者の自由な造形を表現しやすい。

 

滝を滝と認識するために必要な要点が言葉少なくとも、見事に表現されており、見る人の感覚に直接伝わってくる。

 

そしてそれを引き出すための細部の表現が本当に見事で、息をのむ。

くぼみ部分の上の面と側面の繋がりの接点は水が本当に落ちていくように波打っている。

極めつけは微かにくぼみの部分の朱色を他の部分よりワントーン明るくしている。

それによりみる人が自然に滝に目が行く。

その周りも決して見る人が退屈しないよう、ちょうどいいひねりが加えられている。

このちょうどいいが本当に難しい、細部まで作りこまれた作品、その創意には驚かされるばかりである。

 

伝統工芸展はその名の通り伝統を重んじている。

伝統つまり過去の素晴らしい名工が積み上げてきた歴史と技術だ。

けれど伝統を重んじすぎれば作者の創意は薄れてしまう。

逆に創意を重視しすぎれば伝統工芸の枠組みからはみ出してしまう可能性がある。

そのバランスをどうとるかが難しい、伝統を守るだけでは決して先人を超えることはできない。

伝統を重んじながらも絶えず前に進めることが大切だ、それは伝統が長ければ長いほど困難なことであるかもしれないが。

 

そんな中奥井さんの作品は工芸という枠組みにありながら、斬新な新しい可能性を広げるような、素晴らしい作品だと私は思いました。

本当にいい作品だと思います、日本伝統工芸展では他にも感動するような作品がたくさんあります。

機会がありましたら是非見に行ってみてください。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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