漆芸作家が作る絵本紹介「雨龍物語―ある伝説ー」絵と文鳥毛清

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雨龍物語

今回は少し変わった絵本の紹介です。

漆芸作家が作る絵本。

「雨龍物語-ある伝説ー」絵と文鳥毛清。

 

漆芸作家が作る絵本


雨龍物語この絵本は漆芸の加飾技法の一つ沈金で描かれています。

沈金とは漆を塗ってかわいた表面を沈金刀と呼ばれる特殊な鑿を使って、彫って模様を描き、彫った溝の中に漆を使って金や銀、顔料などを定着させる技法です。

日本では室町時代の頃には既に使われていた技法です。

漆黒の中にきらめく彫りと金の美しさは多くの人を魅了してきました。

雨龍物語は日本の伝統技法を物語を通して触れることができる素晴らしい絵本です。

 

 

絵本あらすじ

馬飛池に生れ育った鯉カイの成長物語。母サキとの約束を守るため、カイは冒険に飛び出した。大石亀ホウライと出会い、大鯰を退治して、龍神になろうと成龍の滝を目指す。太陽の川、月の川を経廻り、昇る!カイは昇る!そして登龍門を目指す。観音様の慈愛のもと、故郷へ帰還するが・・・。

作者紹介


この絵本の作者の鳥毛清先生は第66回伝統工芸展(2019年開催)で名誉ある東京都知事賞を受賞されるなど、長年沈金を使い活躍されている沈金の第一人者です。

日本工芸会ホームページ(このリンクから受賞作品を見ることができます、とても幻想的で美しい作品です)

https://www.nihonkogeikai.or.jp/works/772/102335/?exhibition_flag=1

 

先生の沈金の特徴は漆の漆黒の中に温かみのある生き物たちを写実的に表現されていることです。

どこか温かみのある生き物たちは見る人を引き込むような魅力を持っています。

絵本は一枚一枚が一つの作品として成り立つような美しい沈金がすべてのページで見ることができます。

子供も大人も楽しめる素晴らしい絵本です。

 

終わりに


漆芸の沈金という技法は多くの人に知られている技法ではありません。

どんなに素晴らしくても、それを知ってくれている人が、必要としてくれる人がいなければ少しづつ衰退していきます。

最近では沈金のみならず漆芸をする人は減少していく一方です。

 

鳥毛先生の絵本は沈金を多くの人に知ってもらえるきっかけになるのではないでしょうか。

工芸の世界は多くの魅力を持っています。

ただそれが伝わりにくい所があります。

だからこそ鳥毛先生のような一つの分野に縛られることなく活躍されることはとてもすごいことで意義あることだと思います。

伝統的な技術をもっていかに現代の人に価値を提供できるのか、そういうことが求められる現代において鳥毛先生の取り組みは一つの道なのではないでしょうか。

 

 

鳥毛先生は雨龍物語のほかにも3冊の絵本を出版されていますどれも沈金の特徴を生かしたいい絵本です。

是非一度読んでみてください。

美しい沈金の世界があなたを待っています。

雨龍物語ーある伝説ー [ 鳥毛清 ]

価格:2,750円
(2020/9/18 21:17時点)
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鳥毛先生のこれからの活躍も楽しみです。

 

ps

表紙の龍とってもかっこよくて大好きです。

 

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