漆器の問われる価値

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生活漆器、つまり漆の食器類の産業は、バブル崩壊後右肩下がりを続けている。

それに伴い従事する人の数も減っている、このままいけばおそらく産業として続けていくことは難しくなるだろう。

つまり今漆器は新しい価値を、今の人々に提供する必要がある。

工芸を学ぶ身として直面する問題点を述べつつ、今の時代に工芸が提供できる価値を自分なりに考えてみたので、ぜひ目を通していただけるとありがたいです。

漆器が衰退する要因として大きな二つの問題点


一つ目が生活様式の変化。

二つ目が安価な食器製品の登場。

 

生活様式の変化

私たちの生活はとても便利なものにあふれている、電子レンジや食洗器これらは私たちから家事の時間を大幅に減らしてくれる、それはとてもありがたいことだ、だが漆器にとっては大きな問題だ、何故なら先に述べた二つの機器が漆器は使えないのだ。

漆器を人として例えるなら、パソコンが使えない、英語も話せないそんな感じだ、そんな人間はおそらく、社会で活躍することは難しい、そんな困難を抱えているのが漆器である。

人の場合は新しく学ぶこともできるが、漆器の場合はそれも難しい。

 

安価な食器製品の登場

今世の中には安い食器があふれている500円出せばおしゃれな食器も買える、ちゃんと漆の木からとれる漆を使っている漆器は安くても6~8千円するし、1万円を超えることもざらにある。

もう一度人で表せば、パソコンも英語も使えないのに給料だけはバカ高いのである。

そんなものが売れるかと言えば売れないのが当たり前である。

 

なんだか漆器の悪口ばかり行ってしまったが、これは好きな子とか家族をついついけなしてしまう言動と同じで、要は愛なのである。

もちろん漆器には素晴らしい点も数多くある、ただそういったことは、もうみんなさんざん言っているので、その人たちの話を聞いていただければと思います。

結局時代に合っていないから、需要がないのである。今の仕事も50年後には8割なくなっているというし、世の中時代に合わないものは消えていく運命なのである。

ただ漆器は今の時代でも必ず価値を提供できる、私はそう思っている。

漆器の歴史はさかのぼれば1万年以上と言われるほど昔から人々に愛されてきた、漆器の魅力を感じる人が今まで途切れずにいたからこそ、連綿と受け継がれてきたのである。

 

では今変化の速い時代に漆器が提供できる価値とはいったいどういったものだろうか。

変化の速い時代だからこそ、変わらないものに価値がある、漆器も当然効率をよくするために、様々な機械を導入している、けれど特殊な工程が多く、今でも人の手による作業が多い、それはおそらくこの先も変わらない、変えてはいけない。

人の作業にはどんなに熟練した人であろうとも、むらがある、そのむらが、工業製品にあふれた今の世の中の中で、ぬくもりをくれる。

漆器ならあなたが死ぬ時まで寄り添ってくれる、あなたの周りにある、スマホもテレビも、パソコンも必ず買い替える時が来る、けれど漆器はメンテナンスや修理を続けることでずっと使い続けることができる。

たくさんの思い出が器に注がれ、いっぱいになる、漆器はその思い出にひたらしてくれる。

それはとっても素敵なことだ。

 

 

ps予告

私は今漆のお椀を作っています、いつ完成するかは未定ですが、ぜひ買ってください、あなたの毎日がきっと少しだけ素敵なものになります!!!

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